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我々が恐怖すべきことはただ1つ、恐怖そのものなのである
という言葉を知ってますか?
1933年3月4日の米大統領フランクリンルーズベルトの有名な演説です。
そのあとにこのような言葉が続くのですが
名状し難く理不尽で不当な恐怖は、
撤退を前進へと転換させるために必要な努力を麻痺させてしまう。
引用
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戦うか逃げるか
私たちって時折
不安や恐怖に襲われることがあります。
時折ならいいのですが
常時、苛まれていると脳は萎縮し
正常な生命維持活動が行えなくなります。
不安や恐怖って私たちに正常な判断を失わせ
動けなくしてしまいます。
それは私たちが恐怖や不安、つまりストレスがかかると
他の動物と同様、「闘争・逃走反応(fight or flight response)」
という本能が備わっており、恐怖を感じると、
これに反応して「戦うか、逃げるか」の判断を取らせようとします。
fight & flight(闘争・逃走反応)とも言います。
現在とは異なり、太古の人は生きるか死ぬかの
危機に迫られました。
迅速にその次の展開を予測し、素早く
自分の行動をとらねばなりません。
そのためにに大量のアドレナリンを放出します。(一緒にコルチゾールも放出しますが話が長くなるので次回に)
アドレナリンは脳を活発にして詳細なイメージを描き出すのです。
さらに体に様々な準備をさせるのです。
そうすることで自分を守ろうとします。
太古の人や動物にとっては必要な反応でした。
しかしながらその反応は時として
私たちの人生に過剰に影響し人生を狂わせてしまうこと
にもなりかねない反応なのです。
闘争・逃走反応は不安や恐怖を抱くだけでも
体や心に影響が現れます。
つまり起きてもいないことに
心や体が反応してしまうのです。
体と心は
不安や恐怖に包まれ
起きてもいないことを過剰に反応すると
自分を守ろうとして脳はその先の展開を
なるべくリアルにイメージしようとします。
だから不安や恐怖に包まれるとはっきりとイメージしてしまい
さらには連想ゲームのように次から次へと良からぬことを映し出し
自分を追い込んでしまうのです。
でも、追い込まれると
もう一つ反応を起こす場合があります。
もう一つの反応
不安や恐怖の原因と戦ったり
逃げたりすることはある意味能動的な行動です。
逃げても生き延びれるのであれば
逃げることも大切な行為です。
しかし
もう一つの反応とは
固まっちゃって動けなくなること
つまりfreezeです。
恐怖や不安に苛まれ
散々、自分の中で妄想してしまい
失望や絶望に打ちひしがれ
疲れ果てて
しまいには
動けなくなる
生きることを停止してしまう。
これこそが一番怖いこと。
先のルーズベルトはこのことを
言っていたのではないでしょうか?
心配性や不安症気味の方は
そうなってしまってからでは
立ち直るのはちょっとしんどいです。
まず氣付く
一番大事なのは
不安や恐怖に苛まれ深刻になっている
自分に氣付いてあげること。
不安になったりすると顔がこわばったり
心臓がドキドキしたり、怒りっぽくなったり
何かしら必ず兆候が現れます。
氣がつけば立ち止まれる。
立ち止まれば方向転換はできるんです。
慌てて自分を反省したり、他の考えに逃げようとしない。
それこそが自分を卑下する事になったり
不安や恐怖にさらに引き留められたりして
離れられなくなります。
もちろん離れようとすればするほど
不安や恐怖のイメージが浮かんじゃうことがあります。
そんな時はこの方法を試してみてください。
頭の中からリンゴを消す方法
囚われている自分を客観視してみる。
そして今に戻ってみるんです。
よく言いますでしょ
今に生きる
って
たとえ明日に何が起ころうと
今は何も起きていないんです。
今にいることです。
そして自分に言い聞かせてあげてください。
今に生きる術
自分が不安や恐怖に囚われていると
氣がついたら今にいるために
呼吸を整えましょう。
心臓の動悸や心の重たさはコントロールし難いものですが
呼吸なら自分の意思でコントロールできます。
コントロールできるところから
心や体を落ち着かせていきます。
目は閉じても開けていてもいいです。
ゆっくりと吸って
吐く時に少しだけゆっくりにしてみるんです。
吐く息に意識を向けてください。
10回程度行うとセロトニンが分泌されます。
息を吐くたびに少しずつ
胸や頭にある重たいものや痛い意識を
イメージでもいいので丹田に下ろしていきます。
そうすることで
自分を落ち着かせ今に生きることができます。

大田 裕

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